腰部脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニア

長野市で「腰痛・足のしびれ」にお悩みの方へ。腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの見分け方と治療の考え方を、上野医院(整形外科)が解説します。

この記事の要点
  • 「反らすと痛い=狭窄症」「丸めると痛い=ヘルニア」——タイプの見極めが治療の第一歩
  • どちらも保存療法が基本。ヘルニアは自然に小さくなることも多い
  • 足に力が入らない・排尿排便の異常があるときは、すぐに受診を

「反らす」と痛い?「丸める」と痛い?

腰から足にかけての痛みやしびれには、大きく分けて「反らすと悪化するタイプ(狭窄症)」と「丸めると悪化するタイプ(ヘルニア)」があり、ご自身のタイプを正確に把握することが極めて重要です。

腰部脊柱管狭窄症

加齢に伴い、神経の通り道(脊柱管)が狭くなる疾患です。少し歩くと足がしびれて歩けなくなり、しゃがんで休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴です。

危険なサイン

足に全く力が入らない、尿や便が出にくい・漏れてしまうといった症状は、重篤な神経圧迫のサインです。すぐに受診してください。

腰椎椎間板ヘルニア

背骨の間のクッション(椎間板)が飛び出し、神経に触れることで激しい痛みや放散痛を引き起こします。前かがみの姿勢で悪化するのが特徴です。

腰部脊柱管狭窄症とはどんな病気?

腰部脊柱管狭窄症とは、加齢による背骨や靭帯の変化で神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されて足の痛み・しびれ・歩行障害を起こす病気です。国内の患者数を約580万人と推計する報告があり、70代以上で特に頻度が高くなります。

腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気?

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨のクッションである椎間板の中身(髄核)が飛び出して神経を圧迫し、腰から足への強い痛み・しびれを起こす病気です。20〜40代の比較的若い世代にも多く、前かがみ姿勢での作業、重量物の持ち上げ、喫煙などがリスクとされています。

狭窄症とヘルニアの見分け方(症状の違い)

腰部脊柱管狭窄症腰椎椎間板ヘルニア
楽になる姿勢前かがみ・しゃがむまっすぐ立つ・横になる
悪化する姿勢腰を反らす・長く歩く前かがみ・座り続ける・くしゃみ
特徴的な症状間欠性跛行(歩くと足がしびれ、休むと回復)片足への放散する激痛(坐骨神経痛)
多い年代中高年〜高齢者20〜40代にも多い

実際には両方の要素をあわせ持つ方もいます。診察と画像検査でタイプを見極めることが、治療の第一歩です。

治療法(どちらも保存療法が基本)

麻痺や排尿・排便の障害がなければ、保存療法が第一選択です。神経の痛みに対応したお薬などの薬物療法、運動療法、姿勢・生活指導を組み合わせます。椎間板ヘルニアは、飛び出した部分が時間とともに自然に縮小・吸収されることが多いことがわかっており、多くの方が手術をせずに軽快します。

保存療法を続けても日常生活への支障が強く残る場合や、麻痺・排尿障害を伴う場合には手術が検討されます。その際は適切な医療機関へご紹介します。

すぐに受診すべき危険なサイン(レッドフラッグ)

こんな症状はすぐに受診してください
  • 足に力が入らない(つま先立ち・かかと立ちができない)
  • 尿や便が出にくい、漏れてしまう(膀胱直腸障害)
  • 安静にしていても痛む・夜間痛で眠れない・発熱を伴う
  • 転倒や事故のあとから強い痛みが続く

これらは緊急の対応が必要な状態のサインです。様子を見ずに、速やかに医療機関を受診してください。

上野医院(長野市)での腰痛・しびれの診察・治療

当院では問診と診察で「反らすと痛いタイプ」か「丸めると痛いタイプ」かを見極め、必要に応じて画像検査を行ったうえで、狭窄症・ヘルニアそれぞれに合った治療方針を立てます。お薬や注射、運動療法を組み合わせた保存療法が中心で、保険診療で対応します。

足に力が入らない、尿や便が出にくい・漏れるといった症状は、重篤な神経圧迫のサインです。手術が必要になることがあるため、放置せず速やかに受診してください。慢性腰痛で筋膜の癒着が関与している場合には、ハイドロリリース(筋膜リリース注射)という選択肢もあります。

よくある質問

腰椎椎間板ヘルニアは手術しないと治りませんか?

多くの場合、手術をせずに保存療法(お薬・注射・運動療法)で軽快します。飛び出した椎間板が時間とともに自然に小さくなることも知られています。ただし麻痺や排尿障害を伴う場合は手術の検討が必要です。

間欠性跛行とはどんな症状ですか?

少し歩くと足がしびれたり痛んだりして歩けなくなり、しゃがんで休むとまた歩けるようになる症状です。腰部脊柱管狭窄症の特徴的なサインですが、血管の病気(閉塞性動脈硬化症)でも似た症状が出るため、正確な診断が重要です。

足のしびれは何科を受診すればよいですか?

腰や首が原因で起こる手足のしびれは、まず整形外科の受診をおすすめします。診察と検査で原因を特定し、必要に応じて適切な診療科をご案内します。

脊柱管狭窄症は自然に治りますか?

狭くなった脊柱管そのものが自然に広がることは基本的にありませんが、炎症や血流の改善によって症状が軽くなることは十分にあります。保存療法で症状をコントロールしながら生活の質を保てる方が多くいらっしゃいます。

コルセットはつけたほうがいいですか?

痛みの強い時期に一時的に使うのは有効です。ただし長期間頼り続けると体幹の筋力低下を招くことがあるため、痛みが落ち着いたら運動療法で自前の筋肉のコルセットを育てることをおすすめします。使用期間は診察のうえでご案内します。

受診のご案内(長野市の整形外科・上野医院)

腰痛・足のしびれ・間欠性跛行でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。一般整形外科の外来は予約不要です。

整形外科直通:026-232-2861(電話受付 9:30〜17:00/休診:日曜・祝日)

参考情報:日本整形外科学会「腰部脊柱管狭窄症」日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」

※本ページは一般的な医学情報の提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。

このページの監修:上野琢郎(整形外科専門医)|上野医院(長野県長野市三輪4丁目6-2)