ケミカルピーリングの種類と効果|3つの深さで選ぶ【医師監修】

明るい美容クリニックの施術室と透明感のある素肌の女性(ケミカルピーリングのイメージ)

「毛穴のざらつきや化粧ノリの悪さが気になるけれど、レーザーはまだ怖い」。そんなご相談を、長野市の上野医院でも多くいただきます。ケミカルピーリングは美容医療の入口として選ばれやすい治療ですが、薬剤の種類や深さで効果もリスクも大きく変わります。この記事では、皮膚科学会のガイドラインと臨床研究にもとづき、ピーリングの種類・ミラノリピールの位置づけ・市販石鹸との違い・ニキビ跡への効果の範囲までを整理します。読み終える頃には「自分の悩みにピーリングが合うか」を判断する材料がそろうはずです。

目次

この記事の要点

  • ケミカルピーリングは「浅層・中間層・深層」の3つの深さに分類される医療行為
  • 日本の美容医療で行われるものの多くは、刺激を抑えた浅層ピーリング
  • ミラノリピール(BioRePeel)はTCAを含む複合製剤。国内未承認のため医師の管理下で使用
  • 市販のピーリング石鹸は「日々の角質ケア」、医療は「治療」と役割が異なる
  • ニキビ跡は「色」には効果が期待できる一方、深い凹み(クレーター)は適応外
  • 2〜4週間隔で5回程度の継続が基本設計。1回で劇的な変化は原理的に起きにくい

ケミカルピーリングとは?

皮膚に酸性の薬剤を塗り、古い角質の除去と肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の正常化を促す医療行為です。

日本皮膚科学会のケミカルピーリングガイドラインでは、「皮膚科診療技術を十分に修得した医師の管理下に行われるべき行為」と明記されています。つまりピーリングは本来、エステの美容メニューではなく医療です。

薬剤が届く深さによって、次の3つに分類されます。

分類届く深さ主な薬剤位置づけ
浅層角質〜表皮内グリコール酸、サリチル酸マクロゴール日本の美容医療の主流
中間層表皮全層〜真皮浅層TCA30〜35%など効果が強い分、色素沈着リスクも上がる
深層真皮網状層フェノールなど日本人の肌では原則ほぼ行われない

深く削るほど良いわけではありません。日本人を含むアジア人の肌は炎症後色素沈着(PIH:炎症のあとに残る茶色いシミ)を起こしやすく、「浅く・回数を重ねる」が基本方針になります。

薬剤にはどんな種類がありますか?

代表はグリコール酸・サリチル酸マクロゴール・TCAの3系統で、作用の仕方と刺激の強さが異なります。

薬剤特徴施術間隔の目安
グリコール酸(AHA)角質同士の接着をゆるめ、ターンオーバーを促進。濃度とpHで強さが変わる2週ごとが目安
サリチル酸マクロゴール(BHA)日本で開発された製剤。角質層だけに選択的に働くため刺激が少なく、日本人の肌に合いやすい月1回でよいとされる
TCA(トリクロロ酢酸)タンパク質を凝固させ、創傷治癒の過程でコラーゲン産生を促す。濃度依存で深く作用し、効果も刺激も強い医師が濃度・頻度を個別設計

海外の研究では、サリチル酸は色素の濃い肌タイプでも比較的安全性が高く、同じ深さのグリコール酸やTCAより色素沈着リスクが低いと報告されています。

ミラノリピール(BioRePeel)はどんな位置づけ?

TCA35%にサリチル酸・乳酸類縁成分・アミノ酸・ビタミンなどを組み合わせた、イタリア製の複合ピーリング製剤です。

TCA単剤を高濃度で使う従来の中間層ピーリングと異なり、複数の酸と保湿・整肌成分を2相性(オイル層+水層)に配合した設計が特徴です。当院でも、施術後のヒリつきや皮むけの訴えが単剤の強いピーリングより少ない印象がありますが、感じ方には個人差があり、皮むけや赤みが起こる場合はあります。

なお、インターネット上の「剥離しない(皮むけしない)ピーリング」という表現は、機序上はTCAによる角質への作用を伴うため、当院ではお約束していません。

未承認医薬品等に関する事項(医療広告ガイドラインに基づく記載)

  • BioRePeelCl3 FND(通称ミラノリピール)は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない未承認品です。
  • 当院の医師が個人輸入により入手しています。
  • 同一の成分・性能を有する国内承認医薬品はありません。
  • 諸外国における医薬品としての承認情報が確認できないため、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。

当院の費用(税込・自由診療): 顔 (初回)11,000円/顔+首 17,600円/顔+首+デコルテ 27,500円。2-3週の間隔で3〜6回の継続が製造元の推奨プロトコルです。

市販のピーリング石鹸とは何が違いますか?

市販品は低濃度で「日々の角質ケア」を担い、医療機関のピーリングは高濃度の薬剤で「治療」を行う、という役割の違いです。

市販のピーリング石鹸や拭き取り化粧水が悪いわけではありません。化粧品として安全に使える濃度・pHに調整されており、洗顔習慣として取り入れる価値はあります。

ただし、次の限界があります。

  • 化粧品で認められる濃度では、表皮の深い層やニキビの炎症そのものへの効果は期待しにくい
  • 「効果が物足りないから」と毎日・長時間使うと、バリア機能を壊して乾燥や敏感肌の原因になる
  • 肌質や疾患(肝斑・ニキビなど)に合わせた薬剤選択・濃度調整ができない

実際、当院には「市販のピーリングを自己流で続けて肌が荒れた」というご相談もあります。物足りなさを頻度で補うのではなく、医療機関で濃度と間隔を設計する方が、結果的に肌への負担は小さくなります。

毛穴・ニキビ・ニキビ跡には効きますか?

毛穴の詰まり・ざらつき・繰り返すニキビ・ニキビ跡の「色」には効果が報告されています。一方、深い凹みは適応外です。

軽症〜中等症ニキビ50名を対象にしたランダム化比較試験では、TCA25%とサリチル酸30%のどちらも面皰(毛穴の詰まり)を約54%減少させ、効果は同等でした。一方、ヒリつきなどの刺激症状はTCA群80%に対しサリチル酸群40%と、サリチル酸の方が明確に少ない結果でした。

日本の尋常性痤瘡治療ガイドライン2023でも、ピーリングは保険の塗り薬などで不十分な場合の選択肢の一つと位置づけられています。保険診療の治療と置き換えるものではなく、併用する補助治療です。

ニキビ跡については、「色」と「凹み」で答えが変わります。

  • 赤み・茶色い色素沈着 → ピーリングの良い適応。ターンオーバーを速めて色素の排出を後押しします
  • 浅い凹凸 → 反復施術でコラーゲン産生が促され、改善が期待できる場合があります
  • 深い凹み(クレーター) → ピーリングでは改善が困難です。モザイクレーザーやピコフラクショナルなどの治療をご検討ください

ニキビは「炎症→色素沈着→クレーター」と進むほど治療が難しくなります。詳しくはニキビと跡は”順番”で治すの記事で解説しています。

シミ・肝斑・くすみには効きますか?

くすみや炎症後色素沈着には排出促進が期待できます。肝斑には有効性の報告がある一方、刺激で悪化しうるため慎重な設計が必要です。

2024年の系統的レビューでは、ピーリングは肝斑の「補助療法」と位置づけられています。第一選択はトラネキサム酸内服などの薬物療法で、そこに低濃度・浅層のピーリングを組み合わせる形が基本です。強い施術やこする刺激はかえって肝斑を濃くするリスクがあるため、自己判断は禁物です。

そもそも「そのシミが肝斑かどうか」で治療方針は大きく変わります。シミの種類と見分け方(6タイプ)もあわせてご覧ください。

気になる症状がある方は、まず医師の診察で肌質とシミのタイプを確認してから治療を選ぶことをおすすめします。ご相談は公式ラインからどうぞ。

何回・どのくらいの間隔で受けるべきですか?

2〜4週間隔で5回程度を1つの区切りとし、その後は月1回程度のメンテナンスが標準的な設計です。

肌のターンオーバーは約28日周期で、年齢とともに延長します。乱れた周期を整えるには複数回の施術が必要で、1回で劇的に変わらないのは原理的なものです。運動を1回しただけで体型が変わらないのと同じ、とお考えください。

逆に、週1回を超えるような高頻度はバリア機能を壊し、乾燥・敏感化の原因になります。「強く・頻繁に」ではなく「適切な強さで・計画的に」が鉄則です。

リスク・副作用と受けられない方

主なリスクは一過性の赤み・ヒリつき・乾燥・皮むけ・炎症後色素沈着です。多くは数日〜数週間で落ち着きますが、個人差があります。

次に当てはまる方は施術を延期・見合わせる場合があります。

  • 口唇ヘルペスの活動期、施術部位の皮膚感染症
  • 施術部位の強い日焼けの直後
  • ケロイド体質、イソトレチノイン内服中(休薬期間を考慮)
  • 妊娠中・授乳中(薬剤により慎重に判断)
  • アスピリン過敏のある方(サリチル酸系)

施術後に強い赤み・腫れ・水ぶくれ・痛みの悪化が出た場合は、自己判断でケアせず早めに医療機関を受診してください。施術後の保湿と毎日の紫外線対策が、仕上がりと色素沈着予防を大きく左右します。

上野医院でのケミカルピーリング

上野医院(長野市三輪)では、ケミカルピーリングとしてミラノリピール(BioRePeel)を提供しています(自由診療・税込:顔 11,000円/顔+首 17,600円/顔+首+デコルテ 27,500円)。

整形外科・美容皮膚科を併設する医院として、施術ありきではなく、まず医師の診察で「その悩みにピーリングが合うか、別の治療が適切か」を見極めます。ニキビの状態によっては保険診療の治療を優先し、その上で必要な方にピーリングをご提案します。

料金の全体像は料金ページを、ご予約・ご相談はお電話またはラインをご利用ください。

よくある質問

Q1. ケミカルピーリングは1回で効果がありますか?

1回でも化粧ノリの変化を感じる方はいますが、本来の目的であるターンオーバーの正常化には2〜4週間隔で5回程度の継続が標準です。

Q2. エステや市販のピーリングと何が違いますか?

使用できる薬剤の濃度・種類と、医師による肌質診断・濃度調整の有無が違います。医療機関では治療として、肌の状態に合わせた設計が可能です。

Q3. ミラノリピールは普通のピーリングと何が違いますか?

TCAに保湿・整肌成分を組み合わせた複合製剤で、単剤の強いピーリングよりヒリつきの訴えが少ない印象があります(個人差あり)。国内未承認品のため、医師が診察の上で使用します。

Q4. ニキビ跡のクレーター(凹み)にも効きますか?

深い凹みはピーリングの適応外です。赤みや茶色い色素沈着には効果が期待できます。凹みにはフラクショナルレーザーなど別の治療をご案内します。

Q5. 痛みやダウンタイムはありますか?

塗布中に軽いヒリつきを感じることがあります。施術後は赤みや皮むけが出る場合がありますが、多くは数日で落ち着きます。メイクは翌日から可能なことがほとんどです(状態により医師が判断します)。

Q6. 肝斑があってもピーリングを受けられますか?

受けられる場合がありますが、強い刺激は肝斑を悪化させるおそれがあるため、低濃度・浅層で慎重に設計します。まず診察で肝斑かどうかの見極めから始めます。

まとめ

ケミカルピーリングは、毛穴・ざらつき・くすみ・ニキビと「色」のニキビ跡に対して、エビデンスの裏付けがある治療です。一方で、深い凹みには効かない、肝斑には慎重さが要る、1回では終わらない、という限界も正直にお伝えするのが医療機関の役割だと考えています。

「自分の肌に合うのか」を知るところから始めたい方は、上野医院(長野市三輪)へお気軽にご相談ください。ご予約はお電話またはお問い合わせページから承ります。

関連ページ

監修: 上野医院 医師(長野市三輪・整形外科/美容皮膚科)
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参考文献

  • 日本皮膚科学会. ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)
  • 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」
  • 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(Minds掲載)
  • Comparison of 25% Trichloroacetic Acid and 30% Salicylic Acid Peels in Mild-to-Moderate Acne(RCT, PMC8172016)
  • Chemical Peels for Melasma: A Systematic Review. Dermatologic Surgery. 2024.
  • 厚生労働省. 医療広告ガイドライン

最終更新日: 2026年7月23日

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