湿布の種類と効く貼り方|冷感・温感の違いを医師が解説【長野市】

「冷感と温感、どっちがいいの?」「白い厚いのと茶色い薄いの、何が違うの?」「膝に貼るとすぐはがれる」。湿布は身近な薬ですが、こうした質問を長野市の上野医院の整形外科でもよくいただきます。

実は、湿布の選び方には思っているほど「正解」はありません。一方で、貼り方と注意点には、知っておくと差が出るポイントがいくつかあります。

この記事では、湿布の種類と違い、はがれにくく効かせる貼り方、かぶれや光線過敏症などの注意点、湿布だけで様子を見てよい期間の目安を整形外科専門医が解説します。3分ほどで読めます。

目次

この記事の要点

  • 冷感・温感は「感じ方」の違い。入っている痛み止めの成分は同じで、気持ちよいほうを選んでよい
  • パップ剤(白く厚い)は肌にやさしく、テープ剤(茶色く薄い)ははがれにくい。動く関節にはテープ剤、肌が弱い方はパップ剤が向く
  • 貼る前に汗をふく・関節は切り込みを入れて軽く曲げて貼る・貼る時間は製品の指示どおり、が効かせるコツ
  • かぶれたらすぐはがす。ケトプロフェン入りの湿布は、はがしたあとも4週間は日光を避ける
  • 1〜2週間貼っても楽にならない痛みは、湿布で様子を見続けずに受診を

湿布を貼り続けても痛みが取れない方へ。上野医院の整形外科では、レントゲンと超音波エコーで「どこが痛みを出しているか」を確認してから治療を選びます。一般外来は予約不要です。

電話で相談する 026-232-2861

整形外科の受付は午前11:30まで/午後15:30まで(水曜午後・日曜は休診)

湿布にはどんな種類がありますか?

湿布は「形」「感じ方」「成分」の3つの軸で分けると整理しやすくなります。形はパップ剤とテープ剤、感じ方は冷感と温感、成分は痛み止めの種類です。

湿布を選ぶ3つの軸① 形パップ剤白く厚い肌にやさしいテープ剤茶色く薄いはがれにくい② 感じ方冷感温感皮膚の感じ方の違い痛み止めの成分は同じ気持ちよいほうでよい③ 成分サリチル酸メチル など消炎鎮痛薬(NSAIDs)ロキソプロフェン等処方の湿布は多くが消炎鎮痛薬入り

図1:湿布は「形(パップ・テープ)」「感じ方(冷感・温感)」「成分(痛み止めの種類)」の組み合わせでできています。

成分でいうと、昔からあるサリチル酸メチルなどが入ったものと、ロキソプロフェン・ジクロフェナク・ケトプロフェン・フェルビナクなどの「消炎鎮痛薬(NSAIDs)」が入ったものがあります。整形外科で処方する湿布の多くは後者です。

貼る消炎鎮痛薬は、飲み薬にくらべて胃や腎臓への負担が小さいのが利点です。日本整形外科学会の『変形性膝関節症診療ガイドライン2023』でも、膝の痛みに対して貼る・塗るタイプの消炎鎮痛薬が推奨されています。

冷感と温感は、どちらを選べばよいですか?

気持ちよいと感じるほうで構いません。冷感タイプにはメントールなど、温感タイプにはトウガラシの成分(カプサイシン)などが入っていて皮膚の感じ方を変えていますが、痛み止めの成分そのものは共通です。

「冷湿布で冷やす」「温湿布で温める」と思われがちですが、どちらも体の深い部分の温度はほとんど変わりません。冷やしたいときは氷のうや保冷剤、温めたいときは入浴や蒸しタオルのほうが確実です。

タイプ向いている場面気をつけること
冷感ひねった・ぶつけた直後で熱っぽく腫れている。冷やすと楽な痛みとくになし。多くの方が使いやすい
温感慢性のこわばり。冬に冷えると強まる痛み。入浴すると楽な痛み肌への刺激が強め。入浴前後やカイロとの重ね使いでヒリヒリしやすい

パップ剤とテープ剤は、どう違いますか?

白くて厚いのがパップ剤、茶色くて薄いのがテープ剤です。パップ剤は水分が多く肌にやさしい反面はがれやすく、テープ剤は粘着が強く動く場所でもはがれにくい反面、かぶれやすい傾向があります。

パップ剤(白・厚い)テープ剤(茶・薄い)
肌への負担少ないやや多い(かぶれやすい)
はがれにくさはがれやすいはがれにくい
目立ちにくさ服の下で目立つことがある薄くて目立ちにくい
向く場所腰・背中など動きの少ない広い面膝・肩・ひじなど動く関節
貼る回数の目安1日2回1日1回

貼る回数は製品ごとに決まっています。お手元の薬の袋に書かれた指示を優先してください。

効果的な貼り方のコツはありますか?

コツは5つです。「痛い場所の真上に」「汗をふいた乾いた肌に」「関節は切り込みを入れて軽く曲げて」「決められた時間で貼り替える」「入浴の前後は時間をあける」。順に説明します。

1. 痛い場所の真上に貼る

湿布の成分は、貼った場所の皮膚から数センチの深さに届いて働きます。「このあたり」と広く貼るより、指で押していちばん痛いところを探し、その真上に貼るほうが効きやすくなります。

2. 汗をふいた、乾いた肌に貼る

汗や皮脂、クリームが残っているとすぐにはがれます。入浴後はよく乾かし、保湿クリームは湿布をはがしたあとに塗ってください。毛の多い場所は、毛の流れにそってはがすと痛みが少なくなります。

3. 関節は切り込みを入れ、軽く曲げて貼る

膝やひじは、曲げるたびに皮膚が伸び縮みするので、まっすぐ伸ばした状態で貼るとすぐに浮いてきます。両側に短い切り込みを入れ、関節を軽く曲げた状態で中央から外側へなでるように貼ると、動いてもはがれにくくなります。

膝への貼り方1. 両側に切り込みを入れる2〜3か所、2cmほど2. 軽く曲げて中央から貼る膝を軽く曲げ中央 → 外へなでて密着肩・ひじも同じ要領

図2:膝に貼るときは、湿布の両側に2〜3か所の切り込みを入れ、膝を軽く曲げた状態で中央から外へ向かって貼ります。肩も同じ要領です。

4. 決められた時間で貼り替え、肌を休ませる

テープ剤は1日1回、パップ剤は1日2回が目安です。長く貼れば効くわけではなく、成分が出終わったあとは肌への負担だけが残ります。はがしたら1〜2時間は何も貼らず、肌を休ませてから次を貼ってください。

5. 入浴の前後は時間をあける

入浴の30分〜1時間前にはがし、入浴後も肌の火照りが落ち着いてから貼ります。とくに温感タイプは、貼ったまま入浴したり直後に貼ったりすると強くヒリヒリすることがあります。

湿布で気をつけることはありますか?

いちばん多いのは「かぶれ」です。赤み・かゆみ・ブツブツが出たらすぐにはがし、同じ場所に続けて貼らないでください。それでも治まらないときは診察でご相談ください。

  • 光線過敏症:ケトプロフェンが入った湿布は、貼った場所に日光が当たると強い皮膚炎を起こすことがあります。使用中だけでなく、はがしたあとも4週間はその部位を衣服やサポーターで覆ってください(PMDA 医薬品・医療機器等安全性情報 No.276)
  • 飲み薬との重複:エスフルルビプロフェンの湿布は吸収が高く、1日2枚までと決められています。痛み止めの飲み薬との併用はできる限り避けます。ほかの湿布でも、飲み薬を一緒に使うときは医師・薬剤師に伝えてください
  • 使えない方:妊娠後期の方は使えない成分があります。アスピリンぜんそくのある方も使えない湿布があります。処方・購入のときに申し出てください
  • 枚数:保険で処方できる湿布は、原則として1回の処方で63枚までです(2022年4月から)。必要があれば医師が理由を記載して超えることもできます

湿布だけで様子を見てよいのは、いつまでですか?

目安は1〜2週間です。湿布は「痛みをやわらげる道具」であって、痛みの原因を取り除く薬ではありません。貼り続けても楽にならない、いったん楽になってもすぐ戻る、という場合は原因を診てもらうことをおすすめします。

次のような症状があるときは、湿布で様子を見ずに受診してください。

  • 腫れが強い、熱っぽい、見た目が変形している(骨折・靱帯損傷のことがあります)
  • 手足にしびれや力の入りにくさがある
  • 夜、痛みで目が覚める。安静にしていても痛い
  • 転んだ・ひねったあとの痛みが2〜3日たっても引かない

上野医院の整形外科では、レントゲンに加えて超音波エコーで筋肉・腱・関節のようすを確認し、湿布や飲み薬のほか、リハビリ(運動療法)や注射など原因に合った方法を一緒に選びます。膝の痛みは膝の痛みのページ、腰の痛みは腰痛のページにまとめています。

よくある質問

病院の湿布と薬局の湿布は、何が違いますか?

成分は同じものも多いですが、処方薬のほうが成分の量が多い製品があります。また処方では、症状や持病に合わせて種類を選べます。薬局で買うときは、飲んでいる薬やアレルギーを薬剤師に伝えてください。

貼ったまま寝てもよいですか?

1日1回タイプのテープ剤なら構いません。夜の痛みがつらい方は、夕方から就寝前に貼り替えると寝ている間に効かせやすくなります。朝はがして日中は肌を休ませる、という使い方もできます。

かぶれてしまいました。どうすればよいですか?

すぐにはがし、その場所には貼らないでください。軽い赤みなら数日で落ち着きますが、かゆみや水ぶくれが強いときは診察で塗り薬を出します。次からはパップ剤に変える、貼る場所を少しずらすなどで防ぎやすくなります。

湿布を何枚も重ねて貼れば、よく効きますか?

効きは変わらず、肌の負担と成分の吸収だけが増えます。吸収の高い製品では、とくに枚数を守ることが大切です。広い範囲が痛いときも、いちばん痛い場所に1枚が基本です。

子どもや高齢の家族にも使えますか?

市販の湿布には15歳未満は使えない製品があります。高齢の方は肌が薄くかぶれやすいので、パップ剤や短時間の使用から始めるのが安全です。いずれも、まず診察で痛みの原因を確かめることをおすすめします。

長野市で、膝・腰・肩の痛みのご相談を受け付けています。湿布で様子を見てきた痛みが続いている方は、一度「何が痛みを出しているか」を確認しませんか。

電話で相談する 026-232-2861

上野医院 整形外科/長野市三輪4-6-2(善光寺下駅から徒歩5分・駐車場あり)
受付は午前11:30まで/午後15:30まで(水曜午後・日曜は休診)

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監修:上野医院 整形外科専門医 上野 琢郎(日本人工関節学会認定医) 医師紹介はこちら
参考:日本整形外科学会『変形性膝関節症診療ガイドライン2023』/PMDA『医薬品・医療機器等安全性情報 No.276』(ケトプロフェン外用剤と光線過敏症)/厚生労働省 令和4年度診療報酬改定(湿布薬の処方上限)
最終更新日:2026年10月5日
この記事は診断を目的としたものではありません。症状については医療機関にご相談ください。

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